年間を通して獲れる佐渡のイカだが、夏の夜の海を照らす漁船の灯は佐渡の真イカ漁を告げる季節の風物詩だ。新潟県沿岸域、とりわけ佐渡沖は、「イカ」の絶好の漁場と言われている。県が漁獲量を誇る「スルメイカ」は、日本海を北上途上にある5~8月が旬で、6月が最盛期。人気の一夜干しいかは、佐渡沖で獲れた新鮮なスルメイカをその日のうちにさばいて、浜風と天日で一夜干ししてある。こんなシンプルな手法が活きるのは鮮度抜群のイカがあってこそ。炙るとたちまち透き通るのは新鮮な証拠だ。肉厚でやわらかい口当たりの中にも、しっかりとした歯ごたえがあり、噛めば噛むほど旨味が増す。日本酒を傾けながらいただけば、その深い味わいをより一層楽しめる。