アラメは海岸線が長く出入りに富む外海府地域で多く採られる海藻。佐渡の岩石のほとんどは大陸時代の火山活動で形成されたため、佐渡の海岸は岩礁や岩礫が多く、波食台も見られる。これらの条件が揃っているため、アラメなど多様な海藻が育ちやすくなっている。アラメには食物繊維であるアルギン酸や、鉄分、カルシウム、タンパク質が豊富に含まれるヘルシー食品。細かい凹凸があり、幅広で天日干しをしたもののほかに、細かく刻んだものを木枠で成形して乾燥する“板あらめ”というものもある。あらめは何度も水に入れては戻すという作業を繰り返して使う。最もオーソドックスな調理法はにんじん、打ち豆、こんにゃくと一緒に煮つける方法。佐渡では昔から食べられてきた海藻で、佐渡のどこの家庭でも作られている、おふくろの味だ。アラメは小魚やエビ、貝などの重要な餌にもなり、アラメの生息地ではアワビやサザエなども豊富に育ち、良い漁場となっている。