新潟は全国有数の枝豆収穫量を誇る、知る人ぞ知る枝豆王国。なかでも新潟黒埼地区で栽培された黒埼茶豆は、枝豆ブランドの中でも代表格。外見は普通の枝豆だが、鞘の中の豆の薄い皮が茶色のため、茶豆になったと言われている。甘み・風味の良さで高い人気を得ているのは、アミノ酸、そして糖分の中の成分が他の品種に比べて特に多く含まれるから。香りも高く、ゆでる時は芳醇で甘い香りが家中に広がるほど。なによりも、食べたときの心地よい歯ごたえは、一度食べたら忘れることができないだろう。
旬 6月 7月 8月
新潟の夏の味覚である黒崎茶豆は、その甘くて香り高い味わいで知られています。
サクッとした食感と共に口に広がる優雅な甘みと芳醇な香りは、この茶豆を「えだまめの王様」と呼ばせる理由です。栽培が難しい品種ではありますが、良好な栽培技術で生産されたものは、中生のえだまめの中でも類を見ない味と香りを誇ります。これが新潟市の誇る産品となっています。
黒崎茶豆は、見た目が茶色で、種子や豆の薄皮、さやの毛が茶色という特徴的な外観を持つだけでなく、独特の香りがあります。その香りは「ポップコーンの香り」とも形容され、茹でると家中に広がる美味しい香りが特徴です。
黒崎茶豆には「豆」よりも「莢」の部分に多くの香気成分が含まれ、莢ごと茹でることが、黒崎茶豆の香りを最大限に楽しむ方法とされています。同じ条件で調達・調理した他県産の枝豆と比較しても、黒崎茶豆にはより多くの香気成分が含まれています。この圧倒的な香りが、食べる人の舌だけでなく、鼻も虜にするのです。
朝どり
黒崎茶豆は鮮度を重視し、まだ暗いうちに収穫されます。収穫作業は、農家によっては午前0時頃から始まることもあります。朝露が付いたままの枝豆は鮮度を保ち、気温が上がる前に収穫後、脱莢・選別・洗浄されて出荷されます。
実入り8分
黒崎茶豆は、豆粒がまだ少し小ぶりの状態で収穫されます。この時期が最も良好な「歯ごたえ」を持ち、糖分やアミノ酸の含有量が多いため、生産者は収穫量よりも食味を優先しています。
黒崎茶豆の種類と出荷時期
黒崎茶豆は、国の地理的表示(GI)保護制度に登録された8品種があります。それぞれの品種には異なる出荷時期が設定されており、7月上旬から9月上旬まで約2ヶ月間、黒崎茶豆を楽しむことができます。
黒崎茶豆のルーツ
黒崎茶豆は、「小平方茶豆」という品種の祖先である「小平方茶豆」を使用しています。この小平方茶豆は、山形県鶴岡市の「だだちゃ豆(白山ダダチャ)」の種子を持ち帰ったことが始まりとされます。その後、地域で自家採種により品質の良い品種が選抜され、「小平方茶豆」となりました。これが黒崎地域に広まり、茶豆ブームとともに多くの品種が開発されました。
枝豆と新潟の関係
新潟県は、枝豆の栽培面積が日本一であり、収穫量も全国上位です。しかし、新潟の枝豆は地元消費に回される割合が多く、出荷量はそれほど多くありません。このため、「幻の枝豆」と称されることもあります。新潟市民は特に枝豆を愛し、枝豆を含むさやまめの消費量は全国一位です。その証拠に、ザルに山盛りの枝豆を頬張る姿は、新潟の夏の風物詩となっています。