食用として栽培されている菊「かきのもと」は、花は明るい赤紫色の中輪種で、八重咲き。ほろ苦い味とシャキシャキとした歯ごたえの良さが特徴。鮮やかな赤紫色が料理に色を添え、口に入れるとふわっと花の香りが広がって、華やかな気分になる、新潟の秋の味覚。「かきのもと」の名前の由来は、「生け垣の根本に植えたから」、「柿の木の根本に植えたから」、「柿の実が色づいてくるころ赤くなるから」など諸説あります。食用菊の栽培が始まったのは江戸時代と言われ、菊を食べる食文化は北陸地方の一部と東北地方に限られていました。新潟では、おひたしや酢のものとして食され、秋には欠かせない旬の食材です。加熱しても色褪せないので、汁物などの料理にも使われる。古くから農家の庭先や畑の片隅で、紫色の食用菊「かきのもと」が栽培されてきました。1970年(昭和45年)頃には、水田の転作作物として栽培されるようになり、より花が大きく色鮮やかな紫色へ品種改良されました。「かきのもと」は新潟県下越地方(新潟市など)の呼び名で、新潟県中越地方(長岡市など)や魚沼では「おもいのほか」、山形県では「もってのほか」「もって菊」とも呼ばれる。
旬 10月