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十全なす

(じゅうぜん 茄子)

食欲をそそる漬けなすは、幻と言われるほどの希少品種

新潟県は茄子の特産地で、様々な種類の茄子が栽培され、中でも漬けなすの希少品種が十全茄子。わりと小ぶりのなすで丸々としたきんちゃく型をしていることから、所によっては「巾着なす」と呼ばれている。紫紺の皮は薄く、果肉が緻密で柔らかく甘味があり、半分に割り手で「ギュッ」と絞ると水分が滴り落ちてくる。歯ざわりがよく、食味・食感が素晴らしいと評判を受けており、浅漬けに最適。栽培が難しく生産量が少ないところから、県内で消費されてしまうので、全国的には「幻の茄子漬け」と言われている。十全茄子の浅漬けは新潟の夏の味覚の定番。ビールや冷酒の肴として、また夏場に食欲が落ちてもなす漬さえあれば一度噛み締めれば分かる美味しさで食欲が進む。

旬     7月 8月 9月 

新潟県で育てられている十全なすは、形が巾着のようで、主に浅漬けに使われます。出荷は6月中旬から9月下旬にかけて行われます。

昭和初期、新潟県中蒲原郡十全村(現在の五泉市の一部)で、泉州水なすと交配して生まれたのが十全なすです。この品種は後に新潟市や長岡市にも広まり、長岡では梨なすとも呼ばれました。

長岡で改良された十全なすは黒十全と呼ばれ、三条市などにも広がりました。地域によっては八石なすや巻機なすとしても販売されました。

黒十全が広まると、本来の十全なすは白十全や本十全と呼ばれるようになりましたが、その生産地は限られていきました。現在は新潟市南区白根地区などで栽培されていますが、高級な食材として主に料亭などで使われ、一般市場にはあまり出回っていません。

後に、黒十全からF1種として新潟十全なすが開発され、現在では生産される十全なすのほとんどを占めるようになりました。新潟市江南区曽野木地区では、1989年ごろから水田転作の作物として普及し、1991年からは浅漬けとして出荷されるようになりました。

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名称
十全なす
(じゅうぜん 茄子)

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