妙高市といえばこれ、といえる位の隠れた逸品であるかんずり。元来は上越地方に伝わる郷土食品で、上杉謙信が出兵の際に、兵糧として持たせたとも言われている。妙高市産の肉厚唐辛子を秋に収穫後、塩漬けしておき、雪原の雪上に撒いて3・4日さらして塩抜き・灰汁抜きする。米糀・柚子・海の塩と混合し、3年もの間を熟成・発酵させた、この地方独特の赤いペースト状の香辛調味料だ。辛さの中にも深みと旨味のある、独特の風味を出すことができるのは、甘辛・旨辛・激辛の3種類の唐辛子をブレンドしているから。鍋物のタレに溶いて食べると、素材のうまさが一層引き立つこと間違いなし。より深いコクと旨味がでる6年以上の熟成・発酵期間を経て造られた「吟醸かんずり六年仕込」や、加熱処理(発酵止め)を施さない糀菌が生きた「生かんずり」(要冷蔵)もある。