新潟県南部に位置する十日町市松代(まつだい)周辺の郷土食。コシヒカリの米粉を使った皮に、あずきあん、よもぎ、ピーナツ味噌、大根菜、漬物などを包み込みんだ直径7~8センチのまんじゅうタイプ。昔はどの家庭でも作られ、主食として朝に食べ、戦後の食糧難にも大いにもてはやされたという。皮の色づけにはよもぎが使われ、蒸かすと、ほっとするような優しい色合いになり、モチモチとした米粉ならではの食感が楽しめる。松代は棚田でも有名な地域。この棚田から収穫されたコシヒカリの味を堪能して欲しい。
「あんぼ」は、新潟県と長野県北部で親しまれる伝統料理で、練った米粉の皮であんや野菜などの具を包んで蒸したお饅頭のようなものです。地域によっては「あんぶ」とも呼ばれます。見た目は長野県の「おやき」に似ていますが、大きな違いは皮に使われる材料で、長野県では小麦粉が主流ですが、新潟県では米粉が使われます。
中身は一般的に小豆あんや味噌で味付けした大根菜ですが、野沢菜やなす、切干大根などの具も使われます。海沿いの地域では魚を入れることもあります。かつては囲炉裏の灰の中や金網渡しで焼いて食べることもありました。くず米を利用するための手法であり、冬の保存食としてだけでなく、主食やおやつとしても食べられていました。
食べ方は地域によって異なり、もち草やごはんを入れることもあります。具材としては、あんこや煮物、野菜のごま和え、野沢菜漬け、なすの味噌炒め、サケやイワシのぬか漬け、塩ホッケなど、好みに応じて様々なものが使われます。冷凍保存も可能で、オーブントースターやホットプレート、フライパンに油を少し引いて焼いて食べることもあります。
主な伝承地域:中越地域
主な使用食材:上新粉、サケ、漬け菜、あんこ